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消費税アップで何が変わる?

ただでさえ納付するのが厳しい消費税ですが、税率が上がればさらに大変なことになりそうです。
消費税率が倍の10%になれば、単純に計算しても、倍の消費税を納めなければならなくなるわけです。

消費税が上がることで、会社の経営の何が変わるかといえば、設備投資です。
もちろん、消費税率が上がることで請求書等の変更を求められたり、税率の移行期間は経理処理が面倒になったりと、
表面的に変わるものは多くありますが、経営にもっともインパクトするのは設備投資なのです。

単純に考えてみましょう。
1000万円の機械を買うのに、消費税が倍の10%になれば、なんと100万円もの消費税になり、
50万円も多く消費税を支払わなければなりません。

設備投資は毎年のように行うものではなく、タイミングを見計らって行うものですが、
ほんの1年ズレるだけで消費税が大きく変わるのですから注意です。

勘違いされている経営者の方も多いのですが、消費税は土地にはかかりません。
土地はいつ売っても買っても消費税は影響しないのです。

その一方で建物には消費税がかかります。
建物を購入する場合は、消費税が上がる前に購入しなければ、消費税だけ数百万円の差が出ることになりそうです。

税務調査でポイントになるのは、土地と建物を一括して購入している場合です。
土地と建物をまとめて5000万円で購入したとしましょう。
買うときは、土地と建物をまとめて5000万円ということしか考えていないと思いますが、
消費税を考えると、5000万円のうちいくらが土地で、いくらが建物なのかを分ける必要があるのです。

例えば、5000万円のうち2000万円が建物部分ということになれば、消費税は5%で100万円となりますが、
4000万円が建物部分ということになれば、消費税が200万円になってしまいます。

土地と建物を按分する計算は、いくつか方法があったり、不動産鑑定士に依頼することもあり得るのですが、
実務上は適当に金額を決めやすいので、税務調査では調査官に「建物がこの金額なのはなぜですか?」と聞かれます。
当初から金額設定には根拠ある資料をそろえておきましょう。

また、消費税率が上がることになれば、税務調査でもっとも問題になるのは、外注費か給与かの判定でしょう。

外注費として支払っていれば、消費税も支払っていることになりますので消費税は少なくなるのですが、
給与ということであれば、給与には消費税は含まれませんから、消費税を差し引いて計算することができないのです。

よくある外注費か給与かの問題は、建築会社や美容室などの専門職を雇っている会社に発生します。
相手が職人であれば、会社としては雇っているのではなく、外注先として仕事を振っているという感覚があると思います。
しかし、税務署としてはその外注先に対する扱いが社員と同じようなものであれば、外注費ではなく給与と指摘してくるわけです。

毎月105万円の外注費を支払っている会社があるとしましょう。
この外注費が給与ということになれば、105万円には消費税が含まれないことになるので、
年間に5万円×12ヶ月=60万円
もの追徴税額が発生することになります。
これは1年間ですから、税務調査で3年~5年遡られると、これだけですごい金額になってしまうわけです。
しかも、将来消費税率が上がるわけですから、外注費か給与かの問題は、今後さらに大きくなることが予想できます。

外注費か給与かという問題は、明確な基準があるわけではありません。
いろんな要素を加味しながら決まるもので、だからこそ税務調査の際には注意が必要となります。

少し専門的になりますが、外注費か給与かを判定するには下記のような項目をチェックされることになりますので、
今のうちから税務調査の材料を揃えておきましょう。

(1)会社への属性
(2)業務の裁量権
(3)勤務時間
(4)支払形態
・月払い・完成従量等 ・定期昇給・退職金等 ・残業手当・賞与等
・タイムカード・出勤簿等 ・請求書等の有無・支払日が給与と同じか、外注先と同じか
・手形・小切手を想定しているか
(5)福利厚生
・社会保険の加入 ・厚生施設の利用の可否 ・忘年会の出席等
(6)その他
・原材料の支給 ・作業用具の支給状況 ・経費の負担状況

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