「青色申告」という制度をご存知でしょうか?
以前は税務署も青色申告を普及させるためにポスターを作ったりして、
広報活動を活発にしていたのですが、今は青色申告が当り前になっていますね。
ほとんどの会社や個人事業主が青色申告のため、自分の会社が青色申告なのかどうか意識しない経営者の方も多いのが実態です。
そもそも、青色申告とはどんな制度なのでしょうか。
青色申告の特典は、実はいろいろあるのですが、一番大きな特典は「欠損金の繰越」です。
これは、赤字になると、翌期以降の黒字と相殺できるという制度です。
例えば、去年が100万円の赤字で、今年が300万円の黒字だったとします。
青色申告をしていなければ、去年の法人税は0円、今年は黒字なので、300万円の利益に法人税がかかるのですが、
青色申告をしていれば、去年の法人税は同じく0円なのですが、
今年は300万円-100万円=200万円にだけ法人税がかかるのです。
青色申告には意識していない特典がある一方で、さらに知られていないのが、青色申告には要件があるのです。
それは、法定の帳簿書類を作成し、それを7年間保存することです。
「そんなこと言われてなくても、帳簿などはきちんと保管していますよ!」という会社も多い中、
たまに問題になるのが、請求書や領収書を誤って捨ててしまうケースがあります。
顧問税理士から戻ってきた請求者や領収書を、いつまで保存するのか知らず、5~6年経つと捨ててしまう方もいるのです。
もちろん捨ててしまったこと自体に悪意はないのですが・・・
こういうケースで税務調査に入れると大変なことになります。
青色申告の要件は、「法定の帳簿書類を作成し、それを7年間保存すること」ですから、
一部でも捨ててしまって無いということになれば、青色申告を取り消されることになりかねないのです。
青色申告を取り消されてしまったら大変です。
特に、赤字がある場合ですね。先ほど説明したとおり、青色申告だからこそ、赤字の繰越ができるのであって、
過去に遡って青色申告を取り消されてしまったら、過去に赤字を通算して計算したものも、合わせて否認されることになります。
こうなったらもう地獄です。
詳しくは国税庁のホームページにもありますが、
いくらジャマでも7年間は絶対に書類などを保存しておかないと、税務調査で大変なことになるのです。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5930.htm