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税務調査で言ってはならないこと

税務調査を何度か受けると、不条理に感じることがあります。
その典型例は、前回までの税務調査で否認指摘を受けなかったのに、今回の税務調査で否認指摘を受けることです。

今までの税務調査では通ったのだから、今回も大丈夫だろうと思うわけですが、
ここで言ってはならないことがあります。
それは「以前の税務調査ではダメだと言われませんでしたよ!」という言葉です。

調査官:「これは認められませんね。」
社長:「何を言ってるんですか?以前の税務調査では何も言われませんでしたよ!」
調査官:「それは、以前の担当調査官が気付かなかっただけでしょう。」
社長:「それはおかしいでしょう。こちらも以前は何も言われなかったのですから、そのまま処理していて、何がおかしいんですか!」
調査官:「わかりました。本当は修正を3年で済ませようと思っていましたが、そうおっしゃるなら7年修正してもらいましょうか。」
社長:「・・・」

「火に油を注ぐ」とはまさにこのことで、以前の税務調査で指摘されなかったことを主張すれば、
調査官としては最大年分まで遡って追徴税額を払わせよう、と思うわけです。
本来は3年分誤りを修正すればよかったものを、余計なことを言ってしまったばかりに、
7年分も修正しなければならないのであれば、藪蛇(やぶへび)です。

上記の調査官とのやり取りの中で、調査官が主張していることの方が正しいのです。
つまり、以前の税務調査で何も言われなかったとしても、それが今後も大丈夫だということの保証ではない、ということです。
これは法律的にも正しいといえます。税務調査は将来の正しさを保証する行為ではないのです。

税務調査というのは、日数も限られていますし、調査官によって見るポイントも違います。
ですから、誤りがあっても気付かれないこともあります。
これが現実です。
だからこそ、その「非」を攻めてしまうと、調査官も「実際に間違っているんだから、
じゃあいくらでも遡って追徴するぞ」となってしまうわけです。

調査官も人間です。こちらが煽るようなことを言えば、感情的になるのも当然だといえるでしょう。
「以前の税務調査ではダメだと言われませんでしたよ!」という言葉は、グッと飲みこむようにしましょう。

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